低学年クラス

日本をはじめ、アジア、アフリカ、ヨ-ロッパなどの様々な昔話や神話、聖人伝などのお話から始まります。その後、水に浸した画用紙と水彩絵具を使って、お話をテ-マにした色彩ドラマを体験していきます。世界には昔から語り継がれてきた沢山の心温まる素晴らしいお話があります。そのようなお話を耳で聴くだけでなく、画用紙の上で繰り広げられる色の本質的な力を通して、お話の大切なエッセンスをさらに感覚的、体験的なものとして子供たちの心に届けることがこのクラスの目標です。幼児や低学年の子供たちの心は、まだ精神世界との自然なつながりを持って過ごしていると言われています。お話の中に登場する神々や天使、鬼、小人、動物たちとのやり取りの中で、主人公の心に芽生える優しさや力強さ、忍耐、勇気、思いやりなど、そういった「精神的な熱と輝き」を、水彩活動を通して子供たちの心に届けていきたいと思います。

お話の中で主人公が抱く様々な感情。
喜び、やさしさ、勇気、祈り。
色の本質を大切にした水彩制作を通して、主人公たちの心の様を体験していきます。

リンドグレ-ン童話「赤い鳥の国へ」より
両親を亡くし、辛い生活を強いられる兄妹。二人は赤い鳥に誘われて冷たい冬の森の奥へ。そこには隙間が少しだけ開いた扉があり、その隙間から光が溢れている。二人は手をつないでその扉を抜けていった。
聖人伝「聖フランシス」より
年老いたフランシスの目は見えなくなり、耳は聞こえなくなり、体は自由に動かなくなってしまいました。それでも周りでさえずる鳥たちや川のせせらぎ、あらゆる生き物や人々のぬくもりを感じていました。世界の兄弟姉妹たちに囲まれて、フランシスの心は喜びと優しさに満ち溢れていました。
日本昔話「傘地蔵」
「じい様や、糸べそは売れましたかい?」「ばあ様、それがさっぱりでな。それで傘売りの傘と交換してなあ。帰り道で地蔵様のお頭に雪が積もっとったから、傘をかぶせてあげたさあ。」「それは良い事をなさいましたなあ。」
インド昔話「五色の鹿」より
その鹿はあまりにも美しすぎたので、人間から身を隠すように深い森の中に住んでいた。ある時、溺れかけている人間を命がけで助けたが、その人間は欲に目がくらみ、その鹿の居場所を国の王様に教えてしまった。恩を忘れたその人間に五色の鹿がとった行動とは…。