大人ア-トワ-ク

 溢れる物や情報に取り囲まれながら、合理的で便利な環境の中で恩恵を受けて生活している私。
その一方で、日々何となく表層で感じ、考え、行動している自分に疑問を抱いたり、
忙しさの中で周りとの関係性を曖昧にやり過ごして生活している自分に気付いたり、
気づけば、この溢れる社会の中でどこか孤独な気分に浸っている。 
私は物事を心の奥でしっかりと受け止め、感じ、考え、行動しているのでしょうか。
本当に大切と思うことを大切にしているのでしょうか。
物事の内に秘める内面、本質を大切にしたい。
物事の偏りから解き放たれたい。
自らの感性を磨きたい。
心身の調和を図りたい。
ありのままの自分を受け入れたい。
自分を大切にし、同じようにこの世界も大切にしていきたい。 
その様な気持ちに応えてくれるような、新しい美術活動をご紹介したいと思います。

光と闇を体験する
この世には光と闇が存在し、それは周囲世界だけでなく私たちの心の中にも存在している普遍的なもの。光と闇は互いに関係性を有しながら、多様な世界は創造されていきます。
色彩の本質を体験する
色の本質に触れたとき、色がいかに私の心の奥深くとつながり、影響を及ぼしているかに気づきます。一つ一つの色に向き合いながら、色の本質について探っていきます。
自然に共鳴する
成長と成熟、解放と受容、発展と衰退など、様々なドラマを見せる自然界。人が創った多くの物が自然界へと消化、リサイクルできない中で、自然界では全てが生まれ消化していく、完全な調和的体系を有しています。その普遍的な性質に意識を向けていきながら、そこから新たな気づきと癒しの力を見出していきます。
昔話の叡智に触れる
文字や学問がまだ発達していなかった頃、科学的知識や合理性よりも精神性を重んじていた昔の人々は、お話という夢世界を語ることを通して「何か大切なこと」を伝えようと人々の心に働きかけてきました。色彩や明暗ドラマによる創造活動と共に、お話の中に宿るその「何か大切なこと」を探求していきます。
自分を知る
私たちは自らが創造した物(作品)を通して自らに気づくことができます。作品には私という内的な様相が表れ出るからです。そこには正しい、間違っている、という価値判断は存在しません。そこに表れ出るものは「可能性」です。
調和的美の創造へ向けて
作品を通して自らを知り、作品を通して自らの内面に働きかけていく。作品は私ともうひとりの私との間で仲介者となって、働きかけてくれます。宇宙空間、地球環境、自然、人体、人間社会に至るまで、この世界の至る所で調和的な力が働いています。その力が作用するところに私たちは美を見出してきました。そして、今、私たちひとりひとりの心の中の世界にもその力は必要とされています。

その他、これまでに取り組んできた大人対象のワ-クショップをご紹介します。


「水」と「風」の本質を探る
土粘土を使った造形活動を行いながら、水と風の性質と生命の進化との関係性、人体の健康との関係性、特に生命力と魂の活動とはどの様な関係性を持っているのか、また、芸術との関係性についても探っていくワ-クショップ。


色環をめぐる時の流れ
一つの色が移り変わりながら、また元の色へと還って来る色彩。その流れの中から見出される日々のサイクル、季節のサイクル、そして一生のサイクルについて探求していくワ-クショップ。

美術史を通して探る人類の意識的発展旧石器時代から古代文明、中世、ルネサンス…。時代が進むごとに人の意識がどのように変化(進化)していったのか。各時代の美術作品を模造、模写したり、神殿模型を観察したりしながら、当時の人々がそれら美術作品を通してどの様なことを体験していたのかを探っていくワ-クショップ。


「紅葉」と「桜」の精神性を探る四季が移ろう中で自然界が見せる美に、人は心を寄せてきました。夏から秋、冬、そして春へと移り変わる中で、私たちはそこからどの様な精神性を見出すことができるのか。ルドルフ・シュタイナ-の残した四季についての言葉を織り交ぜながら、水彩制作と共に探求していくワ-クショップ。